容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)東野圭吾 ¥ 660 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
容疑者Xの献身 (文春文庫... | |
| 非常に面白く、一気に読みました。はじめは通勤の途中のみで少しずつ読もうと思ったのですが、物語に引き込まれ、結局一気読みでした。 ・文体は軽快でさくさく読めます。 ・ミステリー/推理小説としてではなく、「小説」として読むことをお勧めします。 ・非常に優れた心理描写を感じることが出来ます。 映画も見てみたいなぁと思いました。最初は淡々と読み進めていました。 情景がすぐに頭に浮かぶ文章だからすごく読みやすく、一気に読んでいきました。 でも淡々とあまり心が動かなかった。 ただ情景を思い浮かべながら読んでいました。 でも、後半になりどんどん感情があふれ出し涙が止まらなくなりました。 とても人間味のある切ない話でした。この作品が第134回直木賞を取った直後に、単行本を購入して読みました。 もともとは『容疑者X』という題名での連載でしたが、単行本化にあたり『容疑者Xの献身』と 改題しただけあって、愛情や献身をテーマに話が進んでいきます。 トリックの巧妙さやストーリー展開は、他のレビュアーの方も述べている通り絶妙です。 個人的には、情景や心情の描写が冗長すぎず、簡潔すぎない点も、東野作品らしく好... | ||
おそろし 三島屋変調百物語事始宮部みゆき ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
おそろし 三島屋変調百物語... | |
| 繰り出される「物語」の宝、また宝と解説にありますが、本当にその通りで稀代のストーリーテラー宮部さんの面目躍如といえる作品です。本作はあちらこちらにオリジナリティのある「おそろし」さがちりばめられているだけでなく、登場人物たちの会話や地の文章にも当時のお江戸を髣髴とさせる生活感がただよっていて読者は知らず知らずに百数十年前の時間の中に引き込まれていきます。 神田三島町の袋物屋の主人伊兵衛は、兄夫婦の娘おちかをあずかっています。おちかまだ十歳なのですが、わけあって人との交わりをすっかり閉ざしてしまい、三島屋の女中として働くことで気を紛らわしています。ある日、突然の所用で伊兵衛夫婦が出かけることになってしまい、伊兵衛を訪ねてきた碁敵の藤吉の相手をおちかがすることになります。伊兵衛がわざわざしつらえた碁打ちのための客間、黒白の間に藤吉を通すと、藤吉は問わず語りに亡くなった兄吉蔵の話をはじめるのでした。茶を入れにたったおちかが戻ってくると藤吉は顔面蒼白になり息苦しそうにしています。立てつめた障子をあけたところ庭に咲いている曼珠沙華の花陰から覗いている人の顔をみたというのです。そしておちかは吉... | ||
スカイ・クロラ (中公文庫)森博嗣 ¥ 620 通常3〜5週間以内に発送 ★★★★ |
スカイ・クロラ (中公文庫) | |
| 航空機は、空気の中を滑りながら飛んでいる。車の走行とは明らかに異なる。トラクターやプッシャー。前者は翼の前にプロペラがあり機体を引く。後者は先尾翼となりプロペラが機体を押す。=散香の特性が分かるだろうか。かつて私も戦闘機の仕事をしていた。 エルロン(主翼の外側にある舵)は機体を左右にひねる。=ロールを打つ。 ラダー(垂直尾翼の舵)は機体を左右に振る。=ロールを打つ方向へラダーをあてれば急降下に入る。 エレベータ(垂平尾翼の舵)は機体を上下に振る。=エレベータを引けば機体は上を向き、それまでの速度エネルギーが高度という位置エネルギーに置き換わる。そのままの姿勢で推力(速度エネルギー)がなくなれば失速となり、逆にこれを利用して滑りながらターンを打つ。 フラップ(主翼内側の舵面)は、低速時の揚力を稼ぐ、もしくは高速時において速度エネルギーを揚力エネルギーに変えて、結果としてブレーキの役割をなす。 こうしたハード面。普通の人に分かるわけがないのだが、本小説にはほとんど解説がない。 また、キルドレ達の少し変わった内面。記憶がないか、まるで植えつけられたかのような記憶の断片。シリー... | ||
流星の絆東野圭吾 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
流星の絆 | |
| ドラマ化になるということで購入・・・。あとクドカンも・・・。内容は普通のできでした・・・。「トキオ」や「容疑者X」で号泣した方たちが「流星」ではシビアな感じの意見が多いように 感じますが、三作がどこがどう違うの?という感じです。 私は「人類の泣ける三大要素」に頼ってる気がして涙が一滴も出ません。 要するに子猫の映画かなにかで一生懸命成長したのに最後に死んだら泣けますよね、 そんな映画にしたら「安易だ」と言われそうな、誰もが普通に持つであろう感情。 それが東野さんの小説になると創意工夫より、「子猫の映画」の感動話になり 皆泣ける、と。 になってしまう。いつから東野さんの小説は「泣ける」になったのか、 女子高生が「カワイー」を連発するのと一緒のような気がします。 「流星」は終わり方もハッピーエンドだし火サスの2時間スペシャルがちょうど言いのでは。 構成・設定はバッチリである。ただラストシーンが近づくに連れ、描写が荒くなっていくような感じがした。 細かく手を加えると2冊組で仕上がったのではないだろうか? アイデアは素晴らしいと感じるが、もう少し膨らましても良いと思う。一気に読みました... | ||
さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6)東野圭吾 ¥ 740 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
さまよう刃 (角川文庫 ひ... | |
| 同氏の「手紙」が犯罪者の身内の視点から描かれた作品であるのに対し、この作品は被害者の身内の視点から描くということで作品としては対を成すものです。 もっとも「手紙」は最終的に感動させるストーリー展開であるのにこちらはひたすらやるせない気持ちにさせる作品です。少年犯罪と加害者の人権を守る法律という光市の母子殺害事件を彷彿とさせる筋立てで読後感は余りよくありません。 ただし自分が同様の立場なら・・という意味で非常に興味深いテーマであることには間違いありません。 少年法も加害者の人権とやらを盾にする愚劣な弁護士連中も早晩無くなってほしいものです。東野圭吾らしい重厚で主人公の心理を中心に描写した作品。 実社会でも起こっている非常におぞましい犯罪の被害に自分の家族があったら私も復讐を考えるだろう。 全く関係ない他人の自分勝手な嗜虐性により汚された被害者にもちろん罪は無く、それに反するかのように自らに罪の意識をかけらも感じない加害者の人権を認める必要があるのか?、ましてなぜ更生させなければならないのか? 主人公を追う刑事のつぶやきや関係者の態度からその気持ちを理解しながらも表立って認められないも... | ||
ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)J.K.ローリング J.K.Rowling ¥ 3,990 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
ハリー・ポッターと謎のプリ... | |
| 最終巻の一歩手前。 ヴォルデモート卿の復活が公にされ、世界の状況はますます暗くなりますが、 この巻では、ハリーの物語は学校内に戻り、たんたんと進んでいきます。 薬学の授業でハリーがハーマイオニーを押さえて一番になるなど、楽しみどころもあります。 ダンブルドアからの個人教授など、ダンブルドアと行動を共にすることが多くなり、 結末に向けて謎が解き明かされようとしていきますが、、、 6巻でも謎はすべて解かれることなく大事な人が命を失う事に。 7巻でどう決着がつくのか、最終巻への期待がとまりません。ハリーがハーマイオニーよりも魔法薬学で良い点数を取る、って信じられる? ハリーが闇の魔術に手を染める、って信じられる? こんな事が起きるのも、時間を超えた書物の仕業。 大きな悲しみを乗り越えて、ハリー達はどこに向かうのでしょう。 著者ローリング女史が紙とペンの力を信じて描き出した魔法の世界。 愛と勇気と夢が伝わる半純血のプリンスの巻き。 はらはら、どききと、次回への期待をしっかり読ませてくれます。 謎のプリンスというのも良いタイトル。 読み直すも良し、映画を見るも良し、最終巻となる英語本に手... | ||
探偵ガリレオ (文春文庫)東野圭吾 ¥ 570 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
探偵ガリレオ (文春文庫) | |
| 遅まきながら、東野圭吾作品を初めて読みました。ですから、他の作品との比較は出来ませんが、本書に関して言うと、 ・さくさく読める ・以外と面白い ・知的好奇心を満足させつつ、暇つぶしも出来る 以上の感想です。 短編集なので、さくさく読めるのは当たり前だと思いがちですが、なかなかないんですよね。 ちなみに、私は続編も読み始めました。 お手軽ですし、読んでいない方はぜひ!探偵ガリレオと予知夢がドラマ化した後、原作を読みました。十月に映画が公開されるのを楽しみにしています。 あまり小説を読まない私には, 珍しいタイプの小説だなと感じられる一冊でした。 科学の話には興味があり面白いとは思いますが, 純粋に小説としては物足りない感じがしました。 扱っている題材の割には読みやすいものであり, 見てみる価値はあると思います。読むのがテレビドラマより後になってしまったのですが 原作には原作のおもしろさがあって、とても楽しめました。 この作品の場合、原作を先に読んでいたら科学実験の内容が よくわからなかったんじゃないかなぁ?なんて思ったりしています。 あまり理系の話は得意ではないので テレビで見ていた... | ||
ユージニア (角川文庫 お 48-2)恩田陸 ¥ 660 通常24時間以内に発送 |
ユージニア (角川文庫 お... | |
| ・・・ | ||
フラッタ・リンツ・ライフ (中公文庫 (も25-5))森博嗣 ¥ 680 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
フラッタ・リンツ・ライフ ... | |
| 私だけか??ミステリーだと思うのは。いつも、読み始めてしばらく経つまで、主人公が誰だかわからない・・。これって私の解読力がないから?って戸惑ってましたけど、これが「わざと」かかれてるんだよね??と思いました。いやはやもうこの本を読んでる頃には、このシリーズにはまっていて、特に哲学的な思考っていうのかな?主人公の回想でもいいますか?そこが、読んでて潔くてきれいと感じました。いつ死んでもいい・・というかその覚悟ができている戦闘機乗りの思考・・・。なるほど・・と。この本を読んで、本当にあ・・・これってミステリーなんだね??と思いました。興味深いです。この映画のアニメのイラストがさわやかでかわいらしい表紙ですが、いやいや・・・深いです。このシリーズの中では、この本の主人公だけが何にも囚われていない、すべての関心が、ただ飛行機と空にだけ向けられていると思います。 だから読んでいて、とても気持ちがいい。 他の4冊は幾分主人公が他に関心や執着を持っている感じがするのです。 この本の主人公は自分の周囲で起こる、自分を含めた出来事をあるがままに受け入れるだけ。 抗いもしない。疑問も持たない。 これって... | ||
予知夢 (文春文庫)東野圭吾 ¥ 530 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
予知夢 (文春文庫) | |
| TVドラマのDVDを見てから原作を読むことにしました。 こちらは、原作の2冊目になりますが、TVドラマはこの1冊目と2冊目の全10話を元に作られています。 順番が違うのでまずは対比をしておきましょう。 「予知夢」→TVドラマ 1章 霊視る→8章 2章 夢想る→6章 3章 騒霊ぐ→3章 4章 絞殺る→5章 5章 予知る→7章 TVドラマを見た方へのレビューのつもりで書きます。 前作も同じ感想でしたが、そもそもドラマとは湯川の事件への取り組み姿勢が違います。学友だった草薙刑事には協力的に活躍します。 短編ということもあり、無駄な時間がないため、トリックはわりと短時間で解かれることが多くなります。原作だけでは湯川の人物像をきちっと捉えることは難しいでしょう。かと言って、ドラマとは全然違う雰囲気があります。 純粋にトリックを楽しむという読み方が良いのだと思いますが、ドラマと種明かしは同じなので、TVドラマを見た人にはその楽しみが半減します。ただし、人物関係は多少違ったり、動機も変わっていたり、犯人が違っていたりしますので、そういう発見をして楽しめます。 1作目よりも若干薄くなっています... | ||
スカイ・イクリプス森博嗣 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
スカイ・イクリプス | |
| 「クレイドゥ・ザ・スカイ」で、森氏の術中に見事はまり、悩むばかり。 そして「スカイ・クロラ」のラストに対する 何とはない、やり場のない想いにも、依然として困っている。 私はそんな日々を送っていたのですが この本によって、いくつかのわだかまりが、ほぐれていきました。 「クレイドゥ・ザ・スカイ」の謎の大半が おそらくこの本によって、解けます。 逆に、これを読んでから、「クレイドゥ〜」に戻りますと そのトリックの鮮やかさに、息を飲むばかりです。 「さすがにこのシーンのこいつがアイツだとは思わなかったよ!」という 箇所がポンポン出てきました。 そして、ただ謎が解けるばかりでなく シリーズ全体を通し、読者の抱いた、いくつかのやるせない想いに対し 森氏が「それはここに置いたらどうだろう」と言ってくれるような そんな作品群です。 初めて、語り手には、三人称が使われます。 あぁ、ついに最後の一冊なのか。 そう思うと、少し高かったけど、最後この綺麗な表紙の本にして良かった。21世紀に蘇った『かもめのジョナサン』とも云えるのではないか。 SF的なキャラクター設定・世界観を採りながらも、 本... | ||
ナ・バ・テア (中公文庫)森博嗣 ¥ 680¥ 877¥ 950 ★★★★★ |
ナ・バ・テア (中公文庫) | |
| スカイ・クロラから時間をさかのぼったクサナギスイトの物語。 空は幾分、死に近い。空戦はゲームに似ていて、死はキルドレにとって単なるゲームオーバーだ。爆音も、手に残る衝撃も、Gも匂いも吐き気も、事実ではあるが生々しさには遠い。 キルドレたちは生や現実に感情を吐き出さない。 子どもにとって、死は近い。まだ生の実感から遠いからだ。普通の子どもはだから死をひどく恐れる。キルドレにとっては、死も生も同じ無関心さの先にある。 ならば何故、ティーチは飛ぶ?ふたたびチータに戻って黒猫マークを描いた敵機に、クサナギスイトは意味より先に親近感を抱く。『ナ・バ・テア』を読んでいて、途端にあることが判らなくなった。 彼らが言うところの、「大人」や「子供」とは何だろうか。何年ぶりかに会った親族に言われた「大人になったね。」という言葉みたいに、それは自分を子供とみて発したものなのか、額面どおり大人に発したものなのか、考えてみると判然としない。そんなどこか飲み込み難い違和感を、同じように、本作中の「大人」と「子供」という言葉にも覚えた。 原因は、おそらく「キルドレ」という概念にあるのだと思う。しかし... | ||
ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫)森博嗣 ¥ 680¥ 887¥ 934 ★★★★★ |
ダウン・ツ・ヘヴン (中公... | |
| グングン読み進めていけちゃうような、おもしろさではないけれど、好感をもって主人公を追っていけるスピード感がよかったです。まだこの本を読んでいるときは、私もこの本の中で戦いを楽しんでいるようなお気楽さがありました。おもしろいな!!と思いで次の「フリッタ・リンツ・ライフ」へうきうきとした気分で手を伸ばしました。次からだんだんとミステリーですスカイ・クロラシリーズの第3弾。 今回は草薙水素の戦闘時代が描かれます。 飛ぶことだけを夢見て、飛んでるときだけに『生』を感じる。 敵を落とし、仲間が死に、それでも戦う。なぜなら空に飛ぶことが自由でいることを実感できる空間だから。 スカイ・クロアシリーズで一環して語られている、この感覚。 飛ぶ=自由。 キルドレとして一生大人にならない体を与えられ、死と生のすれすれの空間で戦い続けているにもかかわらず、『死』に対して重く捕らえるところはなく、自由に飛びまわれるために余計な重さをそぎ落とした戦闘機散香のように、文体もただ飛ぶ=自由についてのみ純粋に描かれている。 だからこそ、負傷し翼を失った戦士キルドレ草薙の療養生活は、いかに憂鬱で不自由で、砂漠の中で... | ||
火車 (新潮文庫)宮部みゆき ¥ 900 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
火車 (新潮文庫) | |
| 本作は宮部みゆきの社会派ミステリーの傑作です。 勤務中に負傷して休職を余儀なくさせられた本間刑事は、 遠縁の若い男に相談を持ちかけられ、請け合った。 その相談とは、ひょんなことから失踪した婚約者を探し出してほしいというものである。 しかし、簡単な調査で見つけ出せるだろうと高をくくっていた本間の前に姿を現したのは、 失踪した女性の完璧なまでの偽装工作と、 その女性を陥れたと同時に隠れ蓑を提供する、現代日本の都会の深い闇だった…。 本作が素晴らしいのは、まず、多重債務という社会問題につき読者を啓蒙していること、 次に、多重債務と関連して、現代社会で存続の危機にさらされる、 家族の絆について問題提起をしていること、 さらに、本間を取り囲む温かい登場人物たちです。 ただし、近年破産法は大幅に改正され、消費者金融への政策も転換しつつあり、 本作で語られる情報の古さは否めません。 もっとも、たとえ法制度や目先の数字は変動しても、本質は不変であるともいえますが…。 このように、本作は読むに値する素晴らしい小説ですが、 久しぶりに読み返してみて、 本間の子供の言動をきっかけに物語が展開する部分... | ||
スカイ・クロラ森博嗣 ¥ 1,995 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
スカイ・クロラ | |
| 映画公開ギリギリタイミングで読破。 最大公約数的な、安易な感想ですが 永遠を生きる苦しみ、有限の幸福ってトコがあるのかなぁ。 とても有意義な読書の時間だったのだけれど 僕のお頭ではうまく出力できないようです。 ところどころ、詩のようなテンポで綴られているのが印象的。 比較的短い割りに、満足感は大きいのでおすすめです。かなり好き嫌いの分かれる作品だと思う。 星一つの人がいるのもわからなくはない。 とにかく文体が独特で淡々としています。 ヤマというヤマもないから、落ちという落ちもない。 やたらと考えさせられるという内容でもなければ、 面白い面白いと連呼するような内容でもない。 それだけを言ってしまえばすごくツマラナイ本に思えてしまうけど、 そんなことはない。 これは、これでいいと思う。 このままがいいと思う。変える必要なんてない。 これがわからないなら、わからないならわからないままでいい。 わかる必要はない。 わからないなら、作品に突き放されたと思うんじゃなくて、突き返したと思えばいい。 個人感想としては、他の四作が面白かった。 文章レベルが段々成長している感じ。 時系列順では ... | ||
魍魎の匣 1 (1) (怪COMIC)京極夏彦 ¥ 588¥ 550¥ 1,422 ★★★★★ |
魍魎の匣 1 (1) (怪... | |
| 京極夏彦の作品を漫画化したものとしては他に『巷説百物語』、『ルー・ガルー』を知っていますが失礼ながらこの作品ほどの完成度(再現度)はないように感じます。 この作品は、絵の完成度もさることながら、小説独特の心理描写をよく絵に表わしていると思います。(例えば木場刑事の心理状態を表すのに使われた『箱』の描写は巧みでした) 原作ファンにも必見です。 私は両作家さんともめましてだったのですが、 ストーリー展開も描写もリアルで、ホラーであの作風の画はほんとに怖いです。 絵柄が受け付けない、と言うのでなければ読んでてのめり込める作品なんでしょうが、 正直私はちょっと苦手です。 でもこの先の展開が気になって、次巻の購入を悩んでいます。 だって、表紙の彼が最後1ページしか出てこない。しかもセリフもない。 とりあえず、しばらく様子をみようと思います。あまりにも素晴らしいコミック化。 作者の愛情と画力と構成力と原作の良質さが融合して生まれた傑作と言っても良いでしょう。 まずキャラクターデザインですが、映画版と違い、どのキャラも原作の描写を余すところなく拾い集めて絵にしたような、まさにイメージ通りの... | ||
東京島桐野夏生 ¥ 1,470 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
東京島 | |
| 『グロテスク』が面白かったのと、 谷〜何とか賞とか、期待しすぎた分・・・ちょっと・・・。 他に何も読む本が無いときに、手にとっては。 無人島で次々と事件が起こって、最終的に隆とカスカベの死因も解き 明かされるのかと思って読み進んだが、 結局最初から最後まで清子を中心とした漂流者の無人島での生活記が描かれている。 全体のストーリーを楽しむというよりは、人間の欲望を包み隠さず表現された無 人島生活の日誌を楽しむといった印象。 誰一人住んでいない南の島での生活をときに憧れたりするものだが、 現実は何も知恵がないと過酷で退屈な生活になることが容易に想像できる。 なんかこの続きがありそうな感じもする。 私が初めて体験した桐野作品は『リアル・ワールド』で、当時青春真っ盛りの私にとって、余りの読後感の後味の悪さにショックを受けてしまい、それ以来桐野作品からは距離を置いていました。 そんな私も年齢を重ね、ある程度社会の汚い部分も知ってしまったので、今回内容に惹かれ久々に桐野作品に挑戦してみました。その結果やっぱり悪かったです、後味。 と言っても、あの頃感じた後味の悪さとはまた種類が違って、『リア... | ||
悪意 (講談社文庫)東野圭吾 ¥ 660 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
悪意 (講談社文庫) | |
| 作家達が繰り広げる殺人劇が、登場人物達の手記や告白により全て一人称で語られる。解説で桐野夏生が指摘するように、文字に書かれた「記録」や人の語る「記憶」の曖昧さ、信用できなさを、そのままトリックに使った着想は見事だし、殆ど「文学」的ですらあると思う。 一方で、「文学」作品の代表作である漱石の「こころ」なんかもそうなんだが、登場人物達が書く「手紙」「手記」により話の大部分が構成される小説というのは、その肝心の「手記」が妙に長くなってしまうところにリアリティが無くなってしまい、形式自体が弱点になったりする。(こんな長い手紙を書くもんかいな、と。) また、この小説の場合、語り手達は全体の構成の中でシナリオをもらってそれを演じる役者のようで、その心情描写には深みがない。いや、心情描写という点では、このタイトルにもなっている、人間の持つ「悪意」の根本的な不条理さがこれでもかというくらいに書かれており、唯一その点での心情描写には成功していると思う。ただ、これをミステリーでやると犯人の動機は結局言語・理屈で解析できない、ということになり、謎解きにはならない。そういう意味で、この小説はメタ・... | ||
クレィドゥ・ザ・スカイ (中公文庫 も 25-7)森博嗣 ¥ 680¥ 907¥ 940 ★★★★★ |
クレィドゥ・ザ・スカイ (... | |
| 思うに私の感想って、本当に自分の気持ちの感想文です。初めて本を手にする人に参考にはならないでしょうね(笑)読んだ人には理解してもらえ得るのかと・・・。あなたはそう感じたんだ・・と。おっと、ムダ話!!失礼しました。この本は本当に「どういうこと?」主人公は「誰?」僕は・・・って語られる主人公が本当にだれなのか・・終い近くまでわからず・・・・やっとわかったと思ったら、エピローグでまた「どういうこと???」なんとなくわかるけど、どうしてなのか・・絶対続き読まないといけません。逝けないんです。精神的な意味でも快感的な意味でも、すっきりしてイキたいんです。イっちゃいたいんです。この続き・・文庫本が出たら絶対読みます。もう、ハードカバーでは発行されてるんで文庫化まちです。最後にこの森さんて作家すごくね?? | ||
秘密 (文春文庫)東野圭吾 ¥ 660 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
秘密 (文春文庫) | |
| 東野さんの小説は、夜中に読んでいると、ときに切なさと哀しさで 眠ることが出来なくなってしまう。表面的なことではなく、いつも深く考えさせられる。 人は自分の記憶にあるすべての人々と別れなければならない。どんなに愛していても いとおしくても、いずれかの死によってもたらされる。 しかし、その最愛の対象が存在しているのに別れなければならない時の切なさは どれほどのものだろう。主人公の平介は、結果的に姿の存在する娘と心の存在する妻の 二人と別れなくてはならなかった。手を伸ばせばそこに愛するものがあるが、 触れることが出来ない。 この手の人格の入れ替わり小説は双方が生きていれば、最後は元にもどりハッピーエンド しかないので気軽に読み進められるが、一方が死んでいれば結末はどうしても つらくなる。 娘の姿の妻が、だんだん手の届かない存在になっていく過程の主人公の心情が 本当に良くかかれている。前向きに考えれば考えるほど事態は哀しい方に進んでいく。 もう、どうしようもない。同じ立場になれば電話を盗聴しない自信は私にはない。 妻の直子の現れる時間が徐々に短くなっていくところは、泣けて仕方がなかった。... | ||